補助金使わないと、どれくらい税金でもっていかれるの?
こんばんは。
新型コロナ関連で様々な補助金が出てますね。
農業といえば補助金、なんですけど、補助金もらっても税金でもっていかれるから、機械投資しよう、って話によくなります。
減価償却費を計上すれば経費になりますからね。なので、個人農家の場合はできれば、一年の初めのほうで機械購入して、1年分まるまる減価償却費に計上したいところです。コロナ関連の補助金は今くらいから多くなるので、難しいですけど…。
こんな理由で、補助金もらったら機械購入するなり、高めの資材を購入するなりして、補助金分は経費で使おう、みたいな展開になります。
ここで思うのが、補助金もらったけど結局手元にほとんど残らないじゃん。ということなんですよね。農業のリスクは高いので貯金して備えておきたいんですけど、補助金を使わなければ、その分は収入になるので課税対象になってしまいます。
そこで、補助金をまったく使わなかった場合、もらった補助金のうち、どれだけ税金として納めることになるか計算してみました。今回は所得税のみを計算します。実際には、住民税などの額も変わってくると思います。
平均的な農家のケースを想定すると、
農水省のデータによれば、平成30年の畑作経営(全国平均)では、平均農業所得は286万円らしいので、
file:///C:/Users/a3132/Downloads/e025-30-b.pdf
そこから主な所得控除を考えると(僕の場合)、
基礎控除 38万円
社会保険料控除 20万円(ザックリ)
所得控除合計は約123万円になり、
平均農業所得から引けば、課税所得は約163万円(286万-123万)になります。
厳密には、その他の所得控除もあるので、人によって変わるとは思いますが、あくまでも目安です。
このケースで、補助金200万円をもらった場合を考えます(持続化給付金、その他補助金で200万円くらいになるかなぁと思うので)。
農業所得は486万円(286万+200万)に増えて、所得控除は変わらないので、課税所得は363万円(486万-123万)になります。
あとは課税所得①163万円と②363万円のそれぞれに、いくらの所得税がかかるのか計算します。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
①163万円の場合は、「課税される所得金額195万円以下」に該当するので、税率5%、控除額0円、で計算すると、所得税額は約8万円です(163万×5%)
②363万円の場合は、「課税される所得金額330万円を超え、695万円以下」に該当するので、税率20%、控除額427500円、で計算すると、所得税額は約64万円です({363万-427500円}×20%)。
結局、①の場合より、②の場合のほうが所得税額は58万円(64万-8万)多くなりました。
補助金200万円をもらうので、農業所得も200万円増えるのですが、所得税額も58万円増えるので、実質142万円(200万-58万)の補助金しかもらえていません。
58万円も返っていくのか、かなしい…。
今回は所得税だけでしたが、住民税額などにも影響してくるので、58万円では済まないはずです…。
個人的には、保育園の保育料が高くなるとイタイ…ぴえん。
200万円もらっても赤字になる場合だったら、いずれにしろ所得税額はゼロなので、貯金していいと思いますけどね。あ、それオレか…。
ということで、補助金もらえるとなったら、その年の農業所得を予想して、何かに投資するのか貯金するのか決めていこう!!!って話でした。
なんか、あれですよね。補助金はいると、そんな使わないだろみたいな機械買ってしまいますよね…。ほんとに、不要不急ってこのことだなって。
おしまい。